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GARNET CROW - Terminus


Terminus

Terminus

先日、6月のラストライブをもって解散することを発表したGARNET CROWの事実上のラストアルバム。前作『メモリーズ』から1年3ヶ月ぶり、その間にリリースされたシングルは「Nostalgia」のみで、新曲は9曲の全10曲。しかもその「Nostalgia」を1曲目に収録…というちょっとあんまりやる気が感じられない構成なんですが、どれもこれも製作中に解散を決めたから…と考えると納得。解散理由も「すべてを出し切った」ということなので。裏を返せば「限界」ってことなんですよね。最近はリリースペースも落ちて、アルバムの収録曲も大体10曲程度。昨年は結局シングル「Nostalgia」のみのリリースで1年に発表した楽曲としては過去最少の3曲。これ以上活動を続けることは不可能、と思ったのでしょうか。また、解散フラグとしては様々なものがリリース前からあって、たとえばアルバムタイトルが「終着駅」という意味の「Terminus」だったり、ライブ会場限定CDの品番が「999」(サンキュー)、アルバムのプロモーションが全くない(ニコ生で特番が組まれた程度でメンバーの関わったものがない)、6年間続いた連載が終了、ライブ会場でデビュー曲の復刻版ポスターをプレゼント、更にライブ会場でファンクラブの入会&更新手続きの受付を行わない…など思いつくだけでこれだけの解散フラグが立っていたのですが…。それでも解散発表を見たときはショックでしたね。やっぱり初めて好きになったアーティストだったし。初めて買ったCDも初めて行ったライブもGARNET CROW。10才の頃から10年間聴き続けたので10代の終わりと同時にGARNET CROWも終わっちゃうのか、と思うとやっぱり複雑です。
で、アルバム自体は最近の曲だとかなり好きな曲の部類に入るシングル曲「Nostaigla」からスタート。1曲目にシングル曲を持ってくるのは前作『メモリーズ』同様。ホーンセクションを取り入れた少し大人びた雰囲気の「trade」や、中村節が炸裂している「Maizy」「白い空」を経て、ギターロック色の強い「Life goes on!」、ラテンやサンバ色の強い「P.S GIRL」、これまた中村節な「鏡にみた夢」や、解散が決まってから書かれたのではと思わせる歌詞が胸に響く「The Someone's Tale」と「closer」で幕を閉じます。中村節と書きましたが、実際は過去の曲の焼き直し感の否めない、という意味でもあります。特に「白い空」や「鏡にみた夢」はあらゆる楽曲と似ていて、中村さんの作曲面での限界を感じてしまいます。しかし限界、限界と言っていますが、「すべてを出し切った」という解散理由はバンドとしてはすごく理想的なものであって、アルバムとしてかなり酷い出来というわけでもなく、10枚目ですがここ最近のアルバムだと割と完成度の高い一枚だと思いますし(解散補正なのかもしれない)、有終の美であることは間違いないと思います。あとは6月のラストライブのチケットが当たって、大阪まで遠征することができればいいんですが…。