ryo*k901

by ® / since 2009.10.17

モーモールルギャバン - 僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ

さっき返しに行ってそのまま借りてきました。4thアルバム『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』です。最初読めなかったんですが、「迸る」は「ほとばしる」と読むそうです。今回も例の1000円割引券ならぬ1日1枚100円割引券を使って借りてきました。あと1回分使えます。来月レンタル開始予定のベボベのアルバムで使い終わる予定。
そんな雑談はともかく今回も全曲レビューしたいと思います。

  1. スシェンコ・トロブリスキー
    タワレコの試聴機で聴いた瞬間、電気が体中にビリビリッと来たナンバー。これはもう最高です。モールルが過渡期を抜けだしたのが手に取るようにわかります。メロディアスなサビから「Lai La La Lai…」というコーラスに入る瞬間はもう鳥肌が立つほど素晴らしいです。文句なしの★5つ。「ユキちゃんの遺伝子」に続く名曲が誕生したといっても過言ではない名曲。
  2. サノバ・ビッチェ
    一応PVがあるらしく本作のリード曲のはず。ハイテンションなアップナンバー。1曲目のインパクトが強すぎて第一印象は弱いですが、単曲で聴けば普通にいい曲なはず。間奏の語りのパートが後半になるにつれてヘリウムボイスになっていくのが面白い。1曲目ほどのキャッチーさはないけれども2曲目としては掴みはOKといった所か。
  3. MY SHELLY
    イントロなしで歌から始まるハンドクラップの入ったお気楽な雰囲気の、でもどこかメロウな雰囲気漂うキーボードの音色が印象的なアップナンバー。「ハナモゲラ MY SHELLY」と連呼する間奏が面白い。適度にキャッチーで聴きやすいナンバーです。ラストは拍手と鼻息で終わり。
  4. 僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ
    賛歌のようなキーボードの音色から始まるアルバムタイトル曲。6分近い大作。「笑うがよい 僕は暗闇でジタバタ/叫ぶがよい 迸る命 若さよ」とアルバムタイトルの由来と思われるフレーズが。ミディアムテンポに乗せて歌われる歌詞はどこか応援ソング的な背中を押すような内容になっています。ユコ・カティのコーラスが心地良い。
  5. いつか君に殺されても
    一転して攻撃的な演奏で始まるアップテンポナンバー。これはライブ映えしそうな曲ですね。というかモールルってライブで化けそう。ライブが楽しそうなバンドですね。大サビに入った瞬間の爽快感がたまらない。
  6. 午前二時
    これもまた賛歌のようなキーボードの音色から始まる、ユコ・カティがメインボーカルを務めるメロウな雰囲気漂うミディアムナンバー。間奏のベースソロがカッコいい。この曲、後半になるにつれて少しずつテンポが上がっているような気がするんですが、気のせいでしょうか。不思議な雰囲気の曲です。
  7. J・O・E
    雑踏の音から始まり、ピアノの伴奏とドラムの演奏が入ってくるバラードナンバー。これは聴き入ってしまいますね。このアルバムの曲はどれもメロディが研ぎ澄まされていてついつい聴き入ってしまうのでレビューが短くなりがちになってしまいます。アウトロでは銅鑼の音が鳴り響き、エレクトリックキーボードが暴れまわる。
  8. それは悲しい唄のように
    イントロなしで歌から始まる、キーボードのユコ・カティがメインボーカルを務めるメロウな雰囲気漂うミディアムナンバー。こういうタイプの曲ではユコ・カティがメインボーカルを務めるようにしているのかな。にしても『BeVeci Calopueno』から確実に進歩してますね。メロディが研ぎ澄まされている。
  9. 彼と彼女の日常
    オムニバスCD-R『Songs For "Donca3!!"』収録曲の再録音版。「はい行きまーす」という声とカウントから始まるアップテンポなナンバー。歌詞の内容は彼女に対する不満を綴ったもの。というか彼女は主人公に対して素っ気ない態度をとっている模様。「時々優しいと思えば○○○せびられ」の「○○○」の部分がピー音で消されてますがなんなんでしょうねw 「イケメンは死ねばいいと思います」というシャウトが切実すぎますw
  10. 気まぐれのように揺れる世界から
    イントロなしで歌から始まるミディアムナンバー。8分を超える超大作。全体を通してノイズにまみれたボーカルが印象的。途中で音がストップし、ピアノの伴奏が始まる。なんだ!?どう展開していくんだ!?ユコ・カティがアカペラで歌い出したぞ!それにピアノの伴奏とドラムとベースの演奏が順番に乗っかっていく。最後はラララ…とコーラスで長いアウトロを締める。この展開には驚かされました。壮大すぎます。

モーモールルギャバン
ゲイリー・ビッチェ
ユコ・カティ
T-マルゲリータ
プロデュース:ヨシオカトシカズ (Lively Up co ltd.)
作詞作曲:モーモールルギャバン
ゲストシンガー:松浦“オノイズ”達彦 “いつか君に殺されても”
録音:DANN RODGERS Music Service Ltd.
Studio YOU
ミックス:CF4000 studios
アシスタント・エンジニア:松浦達彦(DANN RODGERS Music Service Ltd.)
機材協力:KORG
マネジメント:Lively Up co ltd.
アートワーク・デザイン:森俊博
Artist and Repertoire : 阪谷友二 (Victor Entertainment)
Public Relation : 畑山豊伸 (Victor Entertainment)
Sales Promoter : 屋代優 (Victor Entertainment)
Visual-Co-ordination : 國吉雅宏 (Victor Entertainment)
Desk : 小泉あや (Victor Entertainment)
佐藤翼 (Victor Entertainment)
Label Manager : 岩渕稔 (Victor Entertainment)
横田直樹 (Victor Entertainment)
Executive Producer : 豊島直己 (Victor Entertainment)

「今回のテーマは矢島(ゲイリー・ビッチェ)自身が負い目を感じていたロックに真っ向から取組む事である」(Wikipediaより)。「3ヶ月に及ぶプリ・プロダクション、2ヶ月に及ぶレコーディングを経て制作された3枚目のフル・アルバム!本来持っていた破天荒なポップネスが全方位で研ぎすまされ、圧倒的な厚みと鋭さを増した新次元のモーモールルギャバンがここに完成! 」(公式サイトより)。まさしくその通りであり、3枚目のアルバム『BeVeci Calopueno』でマンネリ化していたのを打破し、過渡期を経てリリースされた今作はまずメロディが研ぎ澄まされている。パッとしないなあ…という曲が一曲もない。全曲が必ずどこかで「あ、この曲いい」と思う瞬間がある。最新アルバムにして最高傑作だと思います。ファンの間ではアルバム中の歌詞に「パンティ」がないことに対して賛否両論あったようですが、まあ「彼と彼女の日常」のなかに「下着」という歌詞があるのでいいんじゃないんでしょうか。これから先、どのような手を打ってくるのか楽しみです。モーモールルギャバン、いいバンドです。