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Perfume 全作品紹介【その1・2003~2006『Perfume ~Complete Best~』】

曲名横の数字は全楽曲リストとしてナンバリングしたものです。通算何曲目の楽曲か、というのを分かりやすくしたつもり。
また、アルバム未収録曲には★印をつけていますので、全楽曲をコンプリートしたい方はそちらを参考にしてください。
(こちらもどうぞ → Perfume 全楽曲リスト - ryo*k901
(その2はこちら → Perfume 全作品紹介【その2・2007~2008『GAME』】 - ryo*k901

 

2003年

スウィートドーナッツインディーズ1stシングル「スウィートドーナッツ」
2003年8月6日発売

  1. スウィートドーナッツ [001]
  2. シークレットメッセージ [002]
  3. ジェニーはご機嫌ななめ [003]

【収録アルバム】
・スウィートドーナッツ:Perfume ~Complete Best~(ショートバージョン)

Perfume、記念すべき全国デビュー曲。2002年に広島ご当地アイドル「ぱふゅ~む」として、爆風スランプパッパラー河合プロデュースによる楽曲「OMAJINAI★ペロリ」「彼氏募集中」の2曲をリリースしていますが、ここでは割愛。当時14才で上京し、中田ヤスタカと運命の出会いを果たし、華々しくデビュー!とはいかず、ここから5年間の下積み時代が始まります…。
表題曲「スウィートドーナッツ」はドーナツの焼き加減を恋愛にたとえた超高速ナンバー(BPMは恐らくPerfume最速の200)。2006年発売のアルバム『Perfume ~Complete Best~』では1分以上短縮されたバージョンで収録されており、「ドードータベタベ」のリフレインが印象的な間奏はここでしか聴けません。
c/wの「シークレットメッセージ」「ジェニーはご機嫌ななめ」はアルバム未収録曲。「シークレットメッセージ」はのっちのソロパートが一切なく、サビの後ろで何度も「タイムリミッ」と繰り返すだけ…という今では考えられないような曲。「ジェニーはご機嫌ななめ」はジューシィ・フルーツの楽曲のカバーで、2014年頃までは頻繁にライブで披露されていましたが、CD音源はこのシングルでしか聴けないんですよね。ただ、インディーズ時代のシングル3枚は、2008年にボックスセット『Fan Service ~Prima Box~』として復刻されており、一部のレンタル店では未だに在庫のある店舗もあるので、そこまで激レアって訳ではないです。流石にインディーズ当時に販売されたものや、この「スウィートドーナッツ」にだけ存在するDVD付き初回盤に至っては超激レアですが…。

(画像をクリックorタップで「スウィートドーナッツ」のMVが視聴できます)

 

2004年

モノクロームエフェクトインディーズ2ndシングルモノクロームエフェクト」
2004年3月17日発売

  1. モノクロームエフェクト [004]
  2. エレベーター [005]
  3. おいしいレシピ [006]

【収録アルバム】
モノクロームエフェクト:Perfume ~Complete Best~

半年以上のブランクを経てリリースされた2ndシングル。表題曲は前作がとにかくヤスタカが遊びまくった感のある楽曲だったのに対し、Tommy february6のような80年代っぽい雰囲気を感じるテクノポップ歌謡という感じで、個人的には正直あんまり印象に残る曲ではないです…。
c/wの「エレベーター」「おいしいレシピ」はこちらもアルバム未収録曲。「エレベーター」は「下へ参ります 五階想い出売り場です/たまに後ろ見て 戻らない事気づくでしょう」など、人生をデパートのフロアにたとえた歌詞が印象的な楽曲。ラストの「上へ参りまりまりまりま…」から間髪入れずに始まる「おいしいレシピ」は、前作「スウィートドーナッツ」を彷彿とさせる超高速ナンバー。終盤で倍テンになるところの疾走感が楽しい。2007年発売のライブDVD「ファン・サーヴィス[bitter]」にも収録されていますが、間奏でハンドクラップを煽るところが楽しそう。2008年頃を境にライブでやらなくなってしまいましたが、今やっても盛り上がりそうです。

(画像をクリックorタップで「モノクロームエフェクト」のMVが視聴できます)

 

ビタミンドロップインディーズ3rdシングル「ビタミンドロップ」
2004年9月8日発売

  1. ビタミンドロップ [007]
  2. 引力 [008]

【収録アルバム】
・ビタミンドロップ/引力:Perfume ~Complete Best~

インディーズ時代、最後のシングル。表題曲は個人的にインディーズ時代のPerfumeで一番好きな楽曲。どことなくフレンチポップス感のあるオシャレな曲調と、「笑顔で嘘つき お遊戯を踊る」というアイドルらしからぬ毒気のある歌詞が好き。ちなみに2006年発表の楽曲「Perfume」までは、中田ヤスタカcapsuleを結成する前に組んでいたユニット「Sync⇔Sync」のメンバー、木の子さんが作詞を手掛けています。その頃までの楽曲の歌詞の世界観が独特なのはそのため。
c/wの「引力」はもろにフレンチポップスな曲。この頃はまだいわゆる「地下アイドル」でしかなかったPerfumeですが、この時点で既に他にないジャンルを確立していて、当時からいち早く目をつけていた方たちは本当に彗眼としか…。『Perfume ~Complete Best~』でも、「リニアモーターガール」「コンピューターシティ」「エレクトロ・ワールド」という通称「近未来三部作」と呼ばれる3シングルの後に、この「引力」が収録されているので、後からファンになった人の間では「5曲目(引力)の壁」と言われていたりもしましたね…。今となっては慣れましたが、確かにファンになったばかりの2008年当時はあまりのギャップにびっくりした記憶があります。

(画像をクリックorタップで「ビタミンドロップ」のMVが視聴できます)

 

2005年

リニアモーターガール

メジャー1stシングルリニアモーターガール」
2005年9月21日発売

  1. リニアモーターガール [009]
  2. ファンデーション [010]
  3. コンピューター ドライビング [011]

【収録アルバム】
リニアモーターガール:Perfume ~Complete Best~/Perfume The Best "P Cubed"
・ファンデーション/コンピューター ドライビング:Perfume ~Complete Best~

前作から丸1年を経て、遂にメジャーデビュー。当時の上層部からは「シングル3枚とアルバム1枚は出させてあげるから…いい思い出になるといいね」というようなことを言われたらしく、メジャーデビューとはいえ、当時はまだ一向にブレイクの兆しが見えていない状況だったようです。
表題曲は、前述の通り通称「近未来三部作」の第1弾で、それまでのPerfumeのイメージを大きく覆す、没個性的で無機質な雰囲気漂う何とも掴みどころのない楽曲。後にも先にもこのような曲はなく、かなり異色なサウンドなので、ライブでもなかなか披露されることはありませんが、2014年の「ぐるんぐるん」ツアー最終日がデビュー日の9月21日ということにちなんで久々に披露していましたね。
c/wの「ファンデーション」はこれまた掴みどころのないアンニュイな雰囲気の楽曲。マイクスタンドを使った振り付けが特徴的なのですが、間奏でかしゆかが他の2人の周りをぐるっと一周する部分がファンの間では「お散歩ゆかちゃん」と称され、一部のファンから根強い人気を誇っています。「コンピューター ドライビング」はインディーズ時代の路線を継承したようなアップテンポの楽曲。ライブでは曲名にちなんで、振り付けの中にあるハンドルを握るポーズを観客と一緒にしながら、あ~ちゃんが観客に「揺れて~!」とモッシュを強要wするのが恒例となっていました。

(画像をクリックorタップで「リニアモーターガール」のMVが視聴できます)

 

2006年

コンピューターシティ

2ndシングル「コンピューターシティ」
2006年1月11日発売

  1. コンピューターシティ [012]
  2. Perfume [013]

【収録アルバム】
・コンピューターシティ:Perfume ~Complete Best~/Perfume The Best "P Cubed"
PerfumePerfume ~Complete Best~

通称「近未来三部作」第2弾となる2ndシングル。中田ヤスタカが作曲・編曲だけでなく作詞も手掛けるようになった最初の楽曲。これ以降、全楽曲の作詞・作曲・編曲・プロデュースを手掛けています。Perfume、遂に覚醒!といった感じの楽曲で、2008年に行われた初めての武道館ライブでも1曲目に披露されました。メンバーの3人も初めて自分たちの楽曲をカッコいいと思えたらしく、当時通っていた高校にも初めて自らポスターを貼るなどの宣伝活動をしたそうです。
c/wの「Perfume」は「スウィートドーナッツ」から全曲の作詞を手掛けていた木の子が最後に作詞した楽曲。トップノート・ミドルノート・ラストノートという香水にちなんだ用語や、「いつもありがと」などファンへの感謝の気持ちがちりばめられた歌詞が印象的で、ライブではほぼ毎回終盤に披露される定番曲でした。サビの「パッパッパッパッ…」の振りや、通称「ぐるぐるゆー」の振りを一緒にやるのがお約束でしたが、最近やらなくなったので悲しい。ちなみにライブでは微妙にアレンジが違っており、そのバージョンは未だに音源化されていません。

(画像をクリックorタップで「コンピューターシティ」のMVが視聴できます)

 

エレクトロ・ワールド

3rdシングル「エレクトロ・ワールド」
2006年6月28日発売

  1. エレクトロ・ワールド [014]
  2. wonder2 [015]

【収録アルバム】
・エレクトロ・ワールド:Perfume ~Complete Best~/Perfume Global Compilation "LOVE THE WORLD"/Perfume The Best "P Cubed"*1
・wonder2:Perfume ~Complete Best~(シングル版より最後の余韻が若干長いバージョン)

通称「近未来三部作」第3弾となる3rdシングル。覚醒に次ぐ覚醒。この曲をもってしてもブレイクに至らなかったことを考えると、世の中にはまだたくさん現在進行形で埋もれている音楽があるんだなと思います…。とにかく力強いベース音やギターリフなど、まさに音の洪水に溺れるような感覚が味わえるキラーチューン。「これは本当にアイドルの楽曲なのか!?」と思わざるを得ません。今となってはアイドルがアイドルらしからぬ楽曲を歌うことは珍しいことではなくなりましたが、近年のそういう風潮を作ったのは間違いなくPerfumeだと思います。
c/wの「wonder2」は
とにかく「多幸感」としか言いようのない雰囲気の楽曲。ヤスタカは本当にこういう「友達以上恋人未満」の歌詞を書くのがうまい…。「近未来三部作」の最終章を飾る楽曲のc/w曲というのもあって、どこか終末感もあって聴いていてグッと込み上げてくるものがあります…。ライブでもアンコールラストで披露されることが多く、この曲を聴くと「あぁ終わるんだな…」と思ってしまうファンは多いはず。

(画像をクリックorタップで「エレクトロ・ワールド」のMVが視聴できます)

 

Perfume 〜Complete Best〜 (DVD付)

1stアルバムPerfume ~Complete Best~
初回1万枚限定生産盤:2006年8月2日発売
通常盤:2007年2月14日発売

  1. パーフェクトスター・パーフェクトスタイル [016]
  2. リニアモーターガール
  3. コンピューターシティ
  4. エレクトロ・ワールド (Album Version)
  5. 引力
  6. モノクロームエフェクト
  7. ビタミンドロップ
  8. スウィートドーナッツ
  9. ファンデーション
  10. コンピューター ドライビング
  11. Perfume
  12. wonder2

【収録アルバム】
・パーフェクトスター・パーフェクトスタイル:Perfume The Best "P Cubed"
・エレクトロ・ワールド (Album Version):Perfume Global Compilation "LOVE THE WORLD"

ブレイクを果たせないまま発表された1stアルバムという名の「コンプリートベスト」。当時は解散するのではないかとファンの間で騒然となったそうで、ブレイク後しばらくは本人達が否定していましたが、ここ最近になって「そういう話もあった」と認めるようになりました。前述の通り、メジャーデビューの際に「シングル3枚とアルバム1枚」という話もあったそうですし、本来ならここで契約終了…という流れだったのかもしれません。それを何とかつなぎとめたのがマネージャーのもっさんこと山本さんだった、というのは有名な話。詳しく調べると、初回生産の1万枚中7000枚売れたら解散回避という明確なノルマがあったようです。同じアミューズ所属のアイドルグループが当時続々とベスト盤をリリースし、解散していた流れもあったため、Perfumeもその例に漏れず…というところだったのを、もっさんを始めるとする様々なスタッフの尽力によって回避されたという。何とも「Perfumeはスタッフさん達も含めてPerfumeである」と公言しているPerfumeらしいエピソードです。
そんな『Perfume ~Complete Best~』ですが、内容はインディーズ時代のシングル3曲+c/w「引力」と、メジャーデビュー以降の全楽曲7曲と、唯一の新曲「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」(以下PSPS)の全12曲という構成。このPSPSがとにかく名曲で、例の「解散説」があったことを考えると、かなり胸に響くような楽曲になっています。「手をのばしても もう届かない」というフレーズはまさにもしこのまま解散してしまっていたらファンが確実に感じたことでしょうし、「たぶんね キミは本当はそう 全てパーフェクトなスター」というのもヤスタカからの最大限の餞別の言葉のようにも思えます。結果、今となっては別の意味で「手を伸ばしても届かない存在」となったのですが。本当に良かった。ちなみに自分が一番好きなPerfumeの楽曲はこのPSPSです。

(画像をクリックorタップで「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」のライブ映像が視聴できます)

 

長くなってしまったので、その2に続きます。

ryok901.hatenablog.com

*1:Perfume ~Complete Best~』と『Perfume Global Compilation "LOVE THE WORLD"』にはイントロが追加された別バージョンが収録